Giuseppe Penone: Thoughts in the Roots

本書はイタリアのアーティスト、ジュゼッペ・ペノーネによる作品集で、2025年にロンドンのSerpentine Southで開催された展覧会のカタログとして出版されました。
ペノーネの約50年にわたる創作活動を網羅しており、1969年から現在までの作品が収録。彼はArte Povera（アルテ・ポーヴェラ）1960年代にイタリアで生まれた芸術運動の代表的な存在で、木材、鉄、蝋、青銅、テラコッタ、大理石、石膏など、自然素材を用いた作品で知られています。

このカタログでは、ペノーネが追求してきた「自然と芸術の相互作用」や「人間と環境の詩的な関係性」が中心テーマとなっており、Hans Ulrich Obristとの対話も収録。また、展示はギャラリー内だけでなく、ロンドンのケンジントン・ガーデンズにも広がっており、自然との融合が体感できる構成になっていました。

タイトルの「Thoughts in the Roots（根にある思考）」は、ペノーネが自然の根源にある知性や記憶、時間の流れを探求する姿勢を象徴しているようです。まるで木の根が地中で静かに広がるように、彼の作品も静かに深く、私たちの感覚に語りかけてきます。