Wooden Life: Technical Wood in Collective Housing in Spain

スペインの集合住宅建設におけるCLT（Cross Laminated Timber）、GLT（Glued Laminated Timber）の活用を詳細に分析した研究書です。
著者はJusto DíazとGuillermo Pozoで、TC CuadernosとMCH（Master in Collective Housing – UPM / ETH Zurich）の共同出版によって刊行されました。

＊Master in Collective Housing（MCH）は、マドリード工科大学（UPM）とスイス連邦工科大学チューリッヒ校（ETH Zurich）が共同で提供する、国際的な建築専門家向けの大学院修士課程（Master of Advanced Studies）です。


スペイン国内の20件の集合住宅プロジェクトを紹介。Peris+Toral、Lacol、Harquitectes、bosch.capdeferroなど、現代木造建築の第一線で活躍する建築家たちの作品が紹介されています。
　各プロジェクトには、構造図、詳細図、技術仕様、構造解析が添えられており、木材の使用がどのように都市的・社会的・気候的文脈と関わっているかが明らかにされています。
加えて、森林管理から加工、輸送、施工まで、木材の全体的な流通と使用プロセスが解説されており、耐火性、音響性能、法規制、他素材とのハイブリッド戦略なども扱われています。木材を単なるノスタルジーや環境志向ではなく「現代的な解決策」として捉え、炭素排出の削減、建設プロセスの工業化、手頃な住宅供給、地方の活性化といった課題への対応策として位置づけています。