In the Daylight of Our Existence: Architectural History and the Promise of Queer Theory

1991年にアメリカの黒人フェミニスト、詩人で活動家の June Jordan ジュン・ジョーダン(1936– 2002）がスタンフォード大学で行った「新しいセクシュアリティの政治（A New Politics of Sexuality）」というテーマの講演で「私たちが手をつないだり、路上でキスしたりすることがテロや暴力なしにできる……“私たちの存在の昼の光”の下で」という言葉で、公共空間における可視性と親密さの自由を提唱しました。
本書はその理論的な出発点から建築空間の変容を通じて、性別や性をめぐる規範を問い直そうとする視座を提示します。
LGBTQIA+ コミュニティによる住宅、医療、芸術空間における連帯と介入を、ニュー・ヨーク、ロサンゼルス、セントルイス、トロント、そしてメキシコ国境地帯といった多様な都市／地域で追跡・分析。
詩、議事録、メモ、ZINE、写真、アートワーク、そして設計図など、多様な資料を用いて、ジェンダー研究と建築史の交差点を描き出しています
Jordan の呼び掛けでもある可視性と解放を目指す建築・都市計画の実践者や運動に注目し、それがどのように制度や社会構造に対抗しうるかを探求。。
New York や Los Angeles、国境地帯など、地域性を反映した多様な文脈で、LGBTQIA+ の実践や空間づくりに関わる主体がどのように連携し変化を生み出してきたかを分析。
建築空間に潜む権力構造や抑圧の仕組みを、フェミニズムやクィア理論の立場から解読しようという試みは、建築理論に新たな批評的気づきをもたらします。Jordan の思想と異なる都市での実践との架け橋により、理論と実践を往還する形で肯定的に展開されています
本書はよりコミュニティ主導の実践と理論的想像力を結合させた点でユニークな研究となっています。

Contributions by　Candace Borders, Molly M. Brandt, S.E. Eisterer, Ladi’Sasha Jones, Davy Knittle, Torsten Lange, M.C. Overholt, Germán Pallares-Avitia, Malcolm Rio, Catherine George Weilein
本書はスイス国立科学財団（SNSF）の基準に従って査読されています

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