Rewriting Alberti (Writing Architecture)

本書はルネサンス期の建築家レオン・バッティスタ・アルベルティの「建築十書（De re aedificatoria）」と彼の実際の建築作品との関係性を再考する一冊です。
　アイゼンマンは、アルベルティの「部分と全体」の関係性という建築理論の定番を問い直し、均質な空間の断片化という新たな視点から、形式と意味の関係を読み替えます。
また、5つの建築作品、サンタ・マリア・ノヴェッラ、サン・アンドレア教会などを詳細に分析し、理論と実作の間にあるズレや緊張関係を浮き彫りにします。

ピエール・ヴィットリオ・アウレリはアルベルティを通じて建築「プロジェクト」の概念を再定義、マリオ・カルポはアルベルティの理論を記号論的・計算論的ロジックとして捉え、ダニエル・シェラーによるマンフレド・タフーリによるアルベルティ解釈を再検討を掲載。
60点以上の図面・スケッチを収録。建築記号論、ポスト構造主義、現代建築理論の交差点に位置する内容のこの本は、アルベルティの思想を単なる歴史的遺産としてではなく、現代建築の理論的出発点として再構築する試みです。
アイゼンマンの批評的視点と、寄稿者たちの多様なアプローチが交差することで、建築理論の新たな地平が開かれています。