El Croquis 227: Alberto Ponis – The best-kept secret

エルクロキース227号はアルベルト・ポニス（ネルヴィ、ジェノヴァ、1933年）の特集。
これまで手がけた建築は300を超え、そのほぼ全てが住宅でイタリアのサルデーニャ島に限られているという特異な建築家です。

彼はフィレンツェの建築学校を1960年に卒業し、イギリスに渡り1960年から1964年までロンドンでエルネ・ゴールドフィンガーやデニス・ラスダンのもとで働きました。必然的にチーム・テン、スミソンズ、ジェームズ・スターリング、ジェームズ・ゴーワンのブルータリズムの影響を受け、特にラスダンの「geological」な建物に大いに魅了されました。自然、街並み、建築が一つに融合し、一つの文化的・社会的ビジョンを形成することができるかもしれない、そしてそうすべきではないか、という考えを持ち始めたといわれます。

その後、ロンドンのアングロルーマニア系デベロッパーから、パラオの北、数キロ西に位置するプンタ・サルデーニャの土地区画計画に携わるよう依頼されたのがきっかけに1963年に地中海のサルデーニャ島に移住しましマッダレーナ島とつながる小さな港、パラウで制作を始め現在に至ります。

　島での最初のプロジェクトの一つは、ジョゼップ・アントニ・コデルチとル・コルビュジエにインスピレーションを得て1963年に完成したカサ・ディ・ネスーノ、1965年に現場で石を一つずつ積み上げて設計されたヨットクラブの道でした。
彼は北サルデーニャ島特有の長くてシンプルなスタッツォの農家からヒントを得て、その荒々しい土地に溶け込むモダンで気取らない別荘を設計しました。1969年に完成したカサ・ディ・ペピータなどの住宅はその代表と言われます。
1980年に建てられたスタッツォ・プルチェドゥは、観光経済とともに進化したさまざまな予算に対応する住宅タイプで構成されたものです。